卓越研究員の結果:アメリカで製薬研究職を目指したターニングポイント

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こんにちは、masayaです。

以前の投稿“海外でポスドクをして就職まで生き残って”No”と言う大切さ”で、業績が出るかどうかのターニングポイントで、時には”No”と言ってまで自分の意見を主張することが大切だったと言うことを紹介しました。

今回は私がアメリカで製薬研究職への就職活動を行う前に行っていた日本への就職活動について少しだけ振り返っていきたいと思います。(そんなに何年もやっていたわけですが)どうして日本のアカデミアへの就職活動をストップして、アメリカでの製薬研究職への就職活動へ舵をきったのかについて紹介します。

突然ですが、卓越研究員制度はご存知ですか?

1. 卓越研究員概要

卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young ResearchersLEADER):文部科学省

  • 文科省が2016年から始めた若手研究者向けのキャリア支援
  • 日本学術振興会が“卓越研究員候補者“を選考を行う(ステップ1)
  • 卓越研究員用の公募を出している大学・企業に“卓越研究員候補者“が応募して通常の選考を行う(ステップ2)
  • 予算は確か5年で2000万くらいで比較的独立した研究環境が与えられる
  • 研究に専念し、教育のエフォート低い
  • 人件費は採用した大学・企業負担

実は…私……“卓越研究員候補者“…でした…初年度の…

遡ること2016年4月に、ポスドク時の論文もひと段落する見通しが立ったので、日本のアカデミアのポジションを見つけるべく、就職活動を始めることを考えました。そんな時たまたま目にしたのがこの卓越研究員制度。帰国と同時に予算がつくのはいいことだな、でも人件費の負担は文科省が大学に丸投げなのか…なんだか怪しげだなぁーって思ったのを今でも覚えています。しかし新しい事は好きなのでやってみるかと書類作りを始めました。

卓越研究員への応募書類

  • 今後10年の研究計画
  • これまでの研究
  • これまでの研究をどう今後の研究に活かすのか、またそのインパクト
  • 研究開始3年の詳細な年次計画
  • 研究室運営の抱負
  • 応募したい受け入れ先(希望順位3つ)の志望動機

学振のDC1と海外学振は応募・採用経験があったのでこのタイプの書類作成の経験はありましたが、今回のはまた一段とヘビーでした。特に10年間の長期スパンで自分でやりたい事を熟考したことがなかったので。科研費は通常これくらいなんでしょうか?それとももっと要求される?よろしければ誰か教えてください。

そういえばポスドクボスのR01の書類は質・量ともに半端なかったです。参考に見せてもらいましたが、本当に参考なりました。起承転結が明確で。

和文・英文問わず良い申請書はいい!

なので予算・フェローシップの申請書を考えている皆さんは、自分のPIもしくは近所のいいグラントを持っているPIの方に見せてもらう事をお勧めします。

論文のリバイズやりながら、書類を5月に提出したら7月中旬に研究費が採択されるかどうかの面接へ呼ばれました。先行投資だと思って$2000くらい自費で出して帰りました、10分くらいのプレゼンのために。そして7月下旬に面接には通り予算が取れたので、あとは”マッチング”でどこかに収まるんだと思いました。

2. 卓越研究員マッチングの結果

そしてなんと…

面接にすら呼ばれませんでした。

大学・製薬企業と合計10以上箇所以上アプライして0 hitでした。いやマッチングなめてました。受け入れ先候補側から”応募して下さいね”と連絡を頂いていた所もあったので、正直0 hitは予想していませんでした。応募の際に考えてマッチングしてますよ、とアピールしたつもりでしたが不十分だったようです。敗因を1点挙げるとすれば、ネットワーク(コネ)不足だったと思います。応募先の研究者の方との面識は9割方ありませんでしたので、海外からわけのわからんやつが応募してきよった、と思われてもしょうがなかったのかなと今は思います。

もう一点。企業も大学も研究予算を持っていても、やはり人件費を出さなければいけないことがネックになった一因ではないかと思います。そのような訳で、応募先の機関から“今後のご活躍をお祈りして頂きました”。

当時在籍していたポスドクラボでこの話をしたらもうかなり驚かれました。卓越の概略ってちょっとアメリカのアーリーキャリアの研究者のためのグラントK22に似ていますからね。アメリカだとK22持ってたら、ポストを得るための強いファクターですから。K22取った同僚も色んな所からofferもらっていました。

というわけで、ガッカリしました。そして諦めました。

3. 卓越へ応募した収穫

私は転んでもタダではカムバックしない主義です。雑草のようにしぶとく生き残るのがポリシーですから。今回はご縁はありませんでしたが、全く無駄に終わったわけではなく、応募段階で考えさせられた10年のスパンの研究計画で自分の“Drug Discoveryがしたい!”というパッションに気付けたのは有意義な収穫だったと思っています。そのおかげで、すんなりとアメリカで製薬研究職へ行こうと舵を切れたわけですから。

4. 初年度の卓越研究員のまとめ

余談ですが、初年度の“卓越研究員候補者“は176名で、その中で83名がポストを得たそうです。残りの93名(私入れて)はポストが取れなかったみたいです。文科省のご好意でこの92名(私は辞退したので)は次年度の2017年度の卓越研究員用の公募に“卓越研究員候補者“として留年できたらしいです。

新しいキャリアパスを作るのはチャレンジとしてとても素晴らしいことだと思いますが、今後もう少し改善が必要だというのが初代候補者の意見です。辞退し終わった後のアンケートにたくさんフィードバック書かせていただきました。今後この制度が1年でも長く続き、若手の魅力的なキャリアパスとなることを祈っています。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました 🙂

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アメリカでの就職活動の記録は以下のリンクから参考にご覧ください。

就活に必要な準備:“No 0”, “No 1”, “No 2”, “No 3”

電話インタビュー:“No 4”, “No 5”, “No 6”

オンサイトインタビュー:“No 7”, “No 8”, “No 9”, “No 10”

 

P.S.

別の“卓越研究員候補者“の方のご意見も見つけたので、よろしければ参考にして下さい。

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「卓越研究員の結果:アメリカで製薬研究職を目指したターニングポイント」への5件のフィードバック

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