海外ポスドクの時に経験した日本・アメリカでの就職活動の倍率のまとめ

chance numbers
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こんにちは、masayaです。

就職活動を始めるにあたり、その『倍率』ってどれくらいなのか気になる方もいると思います。どれくらいのポジションへ応募したらどれくらいの確率でインタビューへ呼ばれるのか、というのを漠然と知っていると選考がうまくいかない時の不安も少しは軽減できるんじゃないかと思います。

2016年に日本のアカデミアへの就職活動とアメリカの製薬企業への就職活動を経験したわけですが、最終的にどれくらいのポジションへ応募して、どれくらいの『倍率』で次の選考へ通ったのかについて総括してみました。

就職活動をはじめた当時の状況

2016年の就職活動はじめた当時の状況ですが、

  • 学位取得後5年目
  • ポスドク5年目(日本1+アメリカ4)
  • 論文数13 (ファースト6報、内姉妹紙2)
  • 2012年からの5年間の間(渡米以降)の学会参加は日本で開催の学会1度だけ
  • 日本でのPhD時代の恩師(教授)は不在
  • PhD時代のメンターの先生(講師)とは年に1-2回程度メールで連絡を取っていた
  • ポスドク時のラボのOB/OGのメイン進路はアメリカの製薬企業研究職

典型的なアメリカへ行って以降日本とのコネクション徐々に弱くなっていったパターンだったと思います。

就職活動を行った時順番とその期間は、

  1. 日本へのアカデミアの助教への就職活動: 20164月〜9月の約6ヶ月間
  2. アメリカの製薬企業の研究職への就職活動: 20169月〜20171月の約5ヶ月間

でした。

 

1. 日本のアカデミアの助教への就職活動の総括

期間: 2016年4月〜9月の約6ヶ月間

応募: 11件 (卓越研究員含む)

面接: 0件

まず日本への助教相当ポジションへの応募の際は2016年から始まった卓越研究員制度へ応募するところから始めました。運良く卓越研究員候補に内定した後にマッチングの段階(通常の公募プロセスと同じ)で9件の卓越研究員専用の公募へ応募しました。

卓越研究員の話は、“卓越研究員の結果: アメリカで製薬研究職を目指したターニングポイント”で詳しくまとめてあるので興味がある方は参考にしてください。

この9件に加えて、通常の国立大学の助教への公募に2件応募しました。

しかしながら、日本のポジションへの面接には1つも呼ばれることなく、全く縁はありませんでした。

海外へポスドクのトレーニングを積みに行く前にPhD時代の恩師をはじめ色々な方から、『海外で長くポスドクをしていると日本へ戻れなくなるから気をつけてね』と言われたのを覚えていますが、本当にそうなりました。

日本のアカデミアのポジションへの就職活動に関しては、卓越研究員の候補者へ採用されて研究予算を獲得する段階までやってみて自身の中で納得の行くところまで出来たので、方針を変える事に関してはスムーズに出来ました。

日本への就職活動の結果は0/11件でした。

 

海外から日本のポストを獲得するために – Take home messages

1. 日本の恩師・知人とはマメに連絡を取る

2. 可能なら日本国内開催の学会へ参加してネットワーク維持に努める

3. 応募できる公募にはどんどん応募する

4. 業績も大事だが日本との繋がりの方が重要かもしれない

 

Drug discovery

2. アメリカの製薬企業の研究職への就職活動の総括

期間: 2016年9月〜2017年1月の約5ヶ月間

応募: 約60件

電話インタビュー: 9件

オンサイト(研究所)インタビュー: 1件

ジョブオファー: 1件

アメリカの製薬企業の研究職への就職活動の各段階の記録は“TOPページ”のアメリカ製薬企業への転職活動を参考にしてもらいたいですが、日本のアカデミアへの就職活動の全敗後だったので多少の不安を感じていましたが、思いの外スタートから手応えは良かったです。

ビザ問題の解決を図りつつ出せるポジションにはとにかく応募していき、約60件のアメリカの大手製薬企業とバイオテク企業へ応募しました。

電話インタビュー: 9/60件

応募した60件近くのポジションの内、書類選考を通過して毎月2件ほどの電話インタビューへの案内をもらい、合計9件の電話インタビューへと通過しました。

しかし電話インタビュー9件の内の3件はオファーレターを正式に受諾した後に頂いたので、インタビューへの案内にメールをもらった段階で辞退しました。

書類選考を通過して電話インタビューへたどり着いた数は9/60件で約6-7倍でした。

オンサイト(研究所)インタビュー: 1/60件

電話インタビューを無事に通過してオンサイトインタビューへたどり着いたのは1件でした。電話インタビューへの慣れや準備に時間がかかっていたので、電話インタビュー5連敗後の通過でした。

電話インタビューを通過してオンサイトインタビューへたどり着いた数は1/60件で、倍率は約60倍でした。

この1件がそのまま現職のオファーレター獲得、日本で言うところの内定に繋がったので正式なオファー獲得倍率も約60倍でした。

 

アメリカの製薬企業のポジションを獲得するために – Take home messages

1. 応募できるポジションへは出来るだけ応募する

2. 製薬企業業界のネットワーク(コネ)を作る

3. グリーンカード取得を開始する

4. O1ビザをサポートして貰える位の業績を準備する

この4つにプラスして『運』の要素は必要になってきます。

詳しくは以下の2つが参考になるので、合わせて読んでみてください。

アメリカ製薬企業への転職活動 No. 0: 転職成功至った5つの要素

コネ就職するために活用すべきネットワークの知識と作り方

 

directions

3. まとめ

  • 日本・アメリカどちらの就職活動においても応募の絶対数は必要
  • 日本の就職活動では国内のネットワークがかなり重要
  • アメリカの就職活動での倍率は電話インタビューが約6-7倍程度、オンサイトインタビューが約60倍程度(1個人の経験)
  • アメリカの製薬企業のポジションを得るためには、業績・ネットワーク・ビザ・運・プレゼンスキルの5つが大切

今の時代、日米どちらのポジションを狙うのもとても大変だと思いますが、応募し続けていけば必ずどこかには引っかかります。しかし応募しなければチャンスはゼロです。

まずはマッチングする公募・求人に積極的に応募していくことがポジション獲得のための大きな第一歩だと思います。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

参考になった、面白かったと思って頂けたら是非シェアして下さい 🙂

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