こんにちは、masayaです。
以前の投稿“研究者のグリーンカード(EB2 NIW)取得までの申請過程と所要時間“で2016年の12月からグリーンカードの申請を開始して2019年の春にインタビューがあることについて触れました。実際に2019年4月中旬にアメリカの永住権(グリーンカード)のインタビューを受けてきたわけですが、人づてに話に聞いていたのとはだいぶ違っていて正直かなり疲弊しました。
その時の実際のグリーンカードの『インタビューの時の様子』や『USCISの審査官から質問された項目』を中心とした体験談について簡単に振り返っていき、また本番のインタビューを無難に乗り切るために『どういった準備』をしておくと効果的なのかについてまとめました。
1. グリーンカードのインタビュー
そもそもグリーンカードのインタビューは2017年10月以前までは義務ではありませんでした。“USCIS to Expand In-Person Interview Requirements for Certain Permanent Residency Applicants”にも書かれているように、2017年7月に当時の米国大統領がこれまでの移民政策の方針を大幅に変更するための大統領令を発行して、2017年10月から基本的には全てのグリーンカード申請者にインタビューを義務付けるようになりました。
今回の変更により、
- 雇用ベースのグリーンカード申請者(Form I-485)
- 難民のためのグリーンカード申請者 (Form I-730)
- 徐々にその他のカテゴリーのグリーンカード申請者へもインタビューの義務化も計画中
となりました。
ですので、この移民政策の方針が昔のように戻るもしくは何らかの新たな変更が加えられない限りは、今後グリーンカードを申請する方にとってこのインタビューは避けては通れないステップだと覚えてもらって差し支えないと考えられます。
2. インタビューの雰囲気・質問項目
インタビューの流れ
インタビューではまずUSCISのオフィスの玄関で厳密なセキュリティチェックを受けた後に、オフィスの窓口で受付を行いました。
その後順番が来たら審査官から名前を呼び出され審査官オフィスへと通されます。4ヶ月前に2018年12月にグリーンカードのインタビューを受けた同僚の話では、『家族全員で審査官のオフィスへ行きインタビューを受けた』と聞いていました。
しかしながら、同僚のように家族全員で審査官のオフィスへと移動することを想定していましたが、実際は申請者である私だけで先にインタビューを受け、その後パートナーが一人でインタビューを受けるという『個別のインタビュー』になりました。インタビューの間は子供達は待合室でインタビューを受けていない方が面倒をみていました。
このあたりは審査官の判断により変わってくるのかなと感じたので、
- 家族全員でまとめてインタビュー
- 個別でインタビュー
の両方のパターンを想定しておくと良いと思います。
インタビュー自体は時折和やかな雰囲気になりつつも、おおむねシリアスな雰囲気で進行していった印象でした。インタビューの最後に、『必要な追加書類がある場合はレターでリクエストするかもしれないし、これまで提出した書類で十分だと判断できればそのままグリーンカードを発行します』と審査官からのコメントを頂いて審査官のオフィスから退出しました。
その後待合室にてパートナーと交代して、審査官とパートナーとの1:1のインタビューが始まりました。
インタビュー時間に関しては、私のインタビュー時間が約1時間でパートナーのインタビュー時間は20分程度でした。
インタビュー終了後は何か特別な事務作業や支払いがあるわけではなかったので、そのまま帰宅という流れになりました。
実際に受けた質問リスト
実際に受けた質問ですが、質問自体は既に提出したForm I-140やForm I-485で記載した情報に偽りがないかどうかの確認に関する質問が中心になります。
Form I-140やForm I-485に関して詳しく確認したい方は“研究者のグリーンカード(EB2 NIW)取得までの申請過程と所要時間“を参考にして下さい。
非常に多くの質問をUSCISの審査官から受けましたが、質問は大きく分けて以下の3つのカテゴリーに分類できると思います。
- 職歴に関する質問
- 家族(婚姻)関係の確認に関する質問
- バックグラウンド(犯罪歴や危険思想の有無)の確認に関する質問
上記の3つのカテゴリーに関して、審査官は非常に細かいところまでチェックする質問をしてきました。以下に覚えている範囲で受けた質問を3つのカテゴリーに沿って紹介します。
①職歴に関する質問
現在の雇用主は?
現在の職場の住所は?
アメリカでの以前の仕事の雇用主は?
その以前の職場の住所は?
日本にいた時は仕事していたのか?またその場所は?
アメリカでこれまで住んでいた住所は?
日本で最期に住んでいた場所の住所は?
以前の仕事を含めたこれまでのビザは何?
初めて米国へ入国したのはいつ?
その時はどこの空港から入国した?
最新の入国はいつどこの空港?
J1ビザはいつからいつまでカバーしてた?
H1bビザはいつからいつまでカバーしてた?
J1ビザの2年ルールはWaiverしたのか?
今の仕事はビザはいつからカバーしてる?
I-140ではoncologyの領域で働いているとあるけど、今も働いている?
今の仕事を簡単に説明して?
などなどでした。
②家族(婚姻)関係の確認に関する質問
いつ結婚したの?
これまでに結婚相手はいたのか?
他に配偶者はいないのか(重婚)?
子供は全員今の配偶者との子供か?
隠し子はいないのか?
結婚した日はいつ?
配偶者の生年月日は?
配偶者が産まれた場所は?
子供の生年月日は?
子供が産まれた場所はどこ?
今後他の配偶者と結婚する予定はあるのか?
父親と母親の名前は?今どこに住んでいる?
などなどでした。
③バックグラウンド(犯罪歴や危険思想がないこと)の確認に関する質問
テロリストではないか?
薬物に関わったことは?
人身売買に関わったことはあるか?
今後自分自身の生計は政府に頼らずに立てられるのか?
などなどとても多くの質問を受けました。
このカテゴリーの質問にに関しては『Yes or No』で答えるものが大半で、基本的にはNoと答えておけば問題ないですが、時折Yesで回答しないといけない質問もあるので、ちゃんと集中して聞いておいた方が良いです。
分からない単語などがあっても審査官に聞き返したりしたら丁寧に説明してくれるので、あまり心配せずにリラックスして臨むといいです。
追加書類の有無
USCISの審査官がグリーンカードの承認に対して必要な書類があると判断した場合は、後日郵送で追加書類提出に関するレターが届きます。追加書類提出には期限があるので速やかに対応することが望ましいです。
インタビュー前に提出した書類で十分な場合は、近日中にグリーンカードが手元に届くことになります。
私の場合は以下の追加書類が求められたので、速やかに準備をしてUSCISへ追加書類を郵送しました。
- 戸籍の原本
- 戸籍の英訳の原本
- 英訳の証明書の原本
- 過去2年分のForm W2 (収入証明)
3. インタビューへ向けたより良い準備
今回の雇用ベースのグリーンカード(Form I-485)のインタビューの経験から、準備しておくと良いかなと感じた点について少しまとめておきます。
①職歴の確認
上記の通り結構細かいレベルの年月日や住所を聞かれたので、インタビューの際にUSCISへ提出したForm I-140とForm I-485の内容をさらっと目を通して、過去の職場の住所や家の住所を確認しておくと良いと思います。その際はこれまでに取得したビザのヒストリー (いつからいつまでカバーしていたなど)を必ず確認しておきましょう。
後は現在の仕事内容を簡単に説明する文章を考えておくのも良い準備だと思います。
②家族・配偶者の情報の確認
配偶者と子供の生年月日、出生地などは今後も聞かれる可能性が非常に高い質問だと考えられるので、自分の父親・母親・配偶者・子供の生年月日と出生地、結婚した年月日・場所はしっかりと言えるように復習しておくと良いと思います。
まとめ
- グリーンカードのインタビューは今後も多くの申請者にとって必須なプロセスである可能性が高い
- インタビューでは提出したI-140とI-485に沿って、職歴・家族関係・バックグラウンドの3つのカテゴリーを中心とした質問が聞かれる
- インタビュー本番を無難にこなすためにも前日にI-140とI-485に目を通して、職歴と家族の情報は簡単に確認しておく
インタビュー自体は基本的に情報に誤りがないかを確認するものなので、必要以上に緊張する必要はありません。リラックスして分からない質問には『わからないから説明』『もう一回言って下さい』などと、しっかりと聞き返すことが大切です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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「雇用ベースのグリーンカード(I-140EB2/I-485)のインタビューの体験談」への1件のフィードバック