こんにちは、masayaです。
アメリカで留学・転職する前に知っておきたいことの一つはお金に関することだと思います。
- 新しい仕事の給料の相場はいくらなのか?
- 仕事をする街の物価、生活にかかる出費(リビングコスト)はいくらなのか?
実際私も転職前はアメリカの製薬企業の研究職の給料と、将来の勤務地候補での物価・生活にかかる支出(リビングコスト: Cost of Living)について調べてみたり、同僚からアドバイスももらいました。
生きていくためにはお金の話はとても重要なので、アメリカでの給料の調べ方と都市ごとのリビングコストの調べ方についてまとめます。
1. 給料の調べ方: Glassdoorを使う
アメリカでの職業ごとの給料がいくらか知りたい時は“Glassdoor”というサイトが断然便利です。
以前の“ポスドク後・博士課程修了後の問題解決能力を活かす進路の多様性”でのアメリカでの給料もGlassdoorで調べました。
1-1. Glassdoorの基本情報
Glassdoorは大学や会社に在籍する様々な職位(教授や助教、マネージャーやポスドクなど)の人達から匿名で給料の情報を集めているサイトです。
私もポスドク時代と現職の給料の情報を提供しました。
Glassdoorではメールアドレスを登録するだけで、世界中(主にアメリカ)の給料の情報にアクセスできます。
1-2. Glassdoorを使った給料の調べ方
Glassdoorの使い方はシンプルで、検索タブに気になる大学や会社の名前と職位(Job title or company)、オプションで勤務地(Location)を入力するだけです。
百聞は一見にしかずなので、ポスドク後の進路として可能性のある職種をアカデミアと企業から一つずつ例を見ていきます。
例1: ハーバード大学の助教相当のAssistant Professorの給料
例2: 製薬企業NovartisのSenior Scientistの給料
ここで注意したいのが、最初の検索結果では全ての勤続年数帯を含んでいる(上の図のAny Experience)ことです。実際に転職直後に相当する勤続1年目の給料よりは少し多く表示されていることです。毎年数%ずつ給料は上がっていくので、給料の読み取りには注意が必要です。
ただし、Glassdoorの検索結果も勤続年数のフィルターが使えるので、転職直後に相当する勤続年数0-1年目までを選ぶことで真の知りたい給料の数字に近い数字が表示されます。
上の例では全勤続年数の平均$101,000の給料が0-1年目を選んだ事で下の図のように平均$98,000になりました。
もちろんこの数字は自己申告をベースにした数字であり、また1年目の給料もオファーを受諾する際の交渉にも依存するので、あくまでも参考程度として捉えておくいいと思います。
ただ前職と現職の表示額を見ていると、感覚的にはかなり実際の額に近い額が表示されていると思います。
アメリカで就職する事はなくても、自分と同業企業者がどれくらい給料をもらっているのかちょっと気になった時に、Glassdoorを使って調べてみるのもいいと思います。
今回の2つの例では、ポスドク後のキャリアパスの給料を参考にしましたが、各種大学・研究機関でのポスドクの給料も調べることができるので、研究留学前に参考にしてみるのもいいと思います。
1-3. Glassdoorのその他の便利なオプション
Glassdoorでは給料の検索以外にも(今回は深く触れませんが)以下の3つの便利な検索が出来ます。
Jobs
希望の会社や業界の求人情報の検索が出来る(例: 製薬研究職 etc…)
Companies
会社の基本情報と従業員からの会社のレビューが見ることができます
Interviews
会社の従業員が実際に経験したインタビューの体験談やレビューが見ることができます(下図参照)
例: Interviewの検索でPfizerを探した時の結果
2. 物価・生活費(リビングコスト)の調べ方: Cost of Living Calculatorを使う
転職後の給料に関しては大体の数字が把握できたなら、次は新しい勤務地での生活にかかる出費(リビングコスト: Cost of Living)も調べることをお勧めします。
例えば、転職後の新しい給料が$70,000でも新しい勤務地のある街でのリビングコストが$70,000や$80,000なら生活がカツカツもしくは貯蓄を切り崩さないといけないので、転職のJob offerを受け入れるのは一旦考え直した方がいいです。
リビングコストを計算するサイトは多くありますが、日本との物価も比較出来る“Nambeo.comのCost of Living Calculator”をピックアップして、簡単に見るべきポイントを紹介をまとめていきます。
2-1. Cost of Living Calculatorの使い方
どのサイトのCost of Living Calculatorの使い方も基本的には、(1)現在住んでいる都市と(2)引っ越し後の都市そして、(3)現在の給料を入れて計算します。
試しに(1)東京から(2)Memphis, TN, USAへ移り住む予定で(3)現在の給料が30万円($3000)/月の場合で計算してみた結果が下記の図になります。
この結果を見ると、東京での月収30万($3000)の生活レベルは、新天地Memphisでは$2250程度あれば同等の暮らしが出来そうだという事が分かりました。
2-2. Cost of Living Calculatorの注意点
Cost of Living Calculatorの数字はあくまでも、現在地での収入の暮らしから次の新天地でどれ位のお金が必要になってくるかの比較です。
詳しい新天地での物価が知りたければ、上の図の結果の”Cost of Living estimator in CITY”をクリックする事で調べる事が出来ます。
また、アメリカは割と家賃の高いエリアと安いエリアの住み分けもはっきりしているので、どのエリアで家を借りるか、外食の節約具合で必要になってくるお金もだいぶ違ってきます。
3. 同僚からのアメリカでの転職のアドバイス
アメリカには極端にリビングコストが高い都市やエリアが存在します。特にサンフランシスコのベイエリア近郊では世帯収入が$100,000 (1000万円)でも生活が苦しいです。
なのでビザのステータスの関係上パートナーが働けないでシングルインカムになりそうな場合は、『サンフランシスコの仕事は狙わない方がいいよ』とポスドク時代のボスや同僚からアドバイスを頂いてました。
ビザステータスの都合でパートナーが働けない例
J1ビザの付随者のJ2ビザ- H1bビザの付随者のH4ビザ
- O1ビザの付随者のO3ビザ
【追記: 9/17/2018】
J2ビザもEmployment Authorization Document (EAD)という労働許可を申請すれば、米国で就労可能です。EADの申請には3-4ヶ月ほどかかるようです。詳しくは“J2 Visa EAD”を参考にしてください。
もちろんパートナーも同じ街のアカデミアや企業からオファーをもらって働けて、ダブルインカムになるならサンフランシスコなどの高リビングコストエリアでも何とかなるでしょう。
私の場合は、グリーンカード取得までの数年間はビザステータスの関係上シングルインカムが濃厚だったので、リビングコストの高いエリアの企業の仕事にはあまり積極的にはアプライしていませんでした。
サンフランシスコで$4000前後の家賃を払って生活していくのはやはり厳しいかなと今でも思います。
まとめ
- Glassdoorを使った給料の検索は簡単なので、留学や転職前に目的の仕事の給料を調べるのに便利である
- Cost of Living Calculatorを使って移住後の都市の物価を把握して、どれくらいの給料が必要になりそうかを調べる
- 家族のビザステータスなども考慮して、物価が高い都市でも生活していけるかどうかを考慮する
留学・転職後の収入と支出の予測数値を事前に知っておくことで、移住後に後悔するリスクは少なくなるはずです。留学・転職は心配が付きものですが、下調べをしておけばきっと素晴らしいターニングポイントになると思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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