アメリカで研究留学・転職するために知っておきたいビザの知識

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こんにちは、masayaです。

アメリカで現地就職するために必要なことはご存知ですか?

以前の記事“アメリカ製薬研究職への就職活動シリーズのNo.0でで5点(ビザ、マッチング、自己分析、プレゼンテーション、運)まとめましたが、その中で最も重要な要素は間違いなくビザです。

アメリカで現地就職するのに必要なビザの種類を知っておけば、少しはアメリカでの就職のハードルも下がると思うので、今回はアメリカで現地就職するために知っておきたいビザの話をまとめていきます。

今仕事している場所が製薬業界(Pharma/Biotech)なので、他業種で異なる場合もあると思いますのでその場合は失礼します。

アメリカで就労するために必要なビザ

  1. グリーンカード(⭐⭐⭐⭐⭐)
  2. O1ビザ(⭐⭐⭐)
  3. H1bビザ(⭐⭐)
  4. F1ビザ+OPT(⭐)

1. グリーンカード(⭐⭐⭐⭐⭐)

多くを語る必要がないですが、本当に最強のステータスです。アメリカ永住権。グリーンカード(GC)を保有していることで、様々なJobへアプライする際にハンデになる企業側からのビザのサポートの必要性がなくなるので、アメリカの競合相手とほぼほぼ同じ条件で戦う事が出来ます。

研究者によるグリーンカードのプロセスと所要時間に関しては“研究者のグリーンカード(EB2 NIW)取得までの申請過程と所要時間”でまとめてあるので、合わせて読んでみて下さい。

2. O1ビザ(⭐⭐⭐)

次に強力なのがO1ビザ。O1ビザは科学、芸術、ビジネスの分野で優れたスキルを持った個人に発行してもらえるビザです。要件さえ満たせれば、短期間で取得出来ます。 私の場合、job offerアクセプト→O1ビザ取得の期間は2ヶ月弱でした。参考までにO1ビザ(科学の分野)の取得に必要だった書類をまとめておきます。

O1ビザ取得要件の概略

  • 4-7通の推薦状
  • 10 publications
  • 100 citations (self-citationは除く)
  • High Salaryの証明
  • 論文の査読(あれば)
  • 学術賞(あれば)

CitationはGoogle ScholarやScopusなどのサイトで調べて、Citation reportを作成できたりもするので、一度自身のCitationを調べてみるのもいいと思います。

H1bビザ(⭐⭐)

最もポピュラーな就労ビザ。アカデミアでは発行上限がないですが、industryは業界によって発行数が決まっていることは注意しておかなければいけません。 発行数は65,000件とアメリカ修士号以上の学位を持った人を対象に別枠で20,000件。合計85,000件。2017年は20万弱のアプライがあり、抽選で無作為に審査する対象を決めている。倍率は約2.5倍。

結構運の要素が必要であり、取得でききるかどうか少し不安が残ります。万が一抽選に漏れてH1bの取得に失敗した場合は、おそらく帰国せざるを得ない、もしくは大学関係でJ1ビザかH1bビザをサポートしてもらうJobを探すことになると思います。

F1ビザ+OPT()

学生として留学する際に必須な学生ビザの1年間の仕事探しの期間(Optional Practical Training)は就労可能です。ただしこのOPTの期間中に上記のグリーンカード、O1ビザ、H1bビザのいづれかを取得しなければいけません。そうでなければ、帰国+アメリカでの就労を諦めることになってしまいます。

今の職場にもF1+OPTのポスドクの方がいて、H1bを申請しています。是非取得出来て欲しいです。

アメリカで現地就職するルート

以上、グリーンカードとビザの観点から、アメリカで製薬企業など現地就職するためのシナリオを考えていくつか例示しておきます。

Case1) 学生で留学して現地就職(F1→H1b or O1 or GC)

Case2) ポスドクで留学して現地就職(J1→H1b or O1 or GC)

Case3) 学生・ポスドクで留学して、就職前にGC取得して現地就職(F1 or J1→GC)

どのビザを取得していこうが最終的にはグリーンカードに落ち着きます。 参考までに、私の場合はポスドク研究留学中にJ1→H1bで現地就職後にO1→GC(申請中)です。

早いうちからアメリカの企業への就職を考えている方は、できるだけ早くグリーンカードの申請を行うことをお勧めします。プロセスに年単位かかることもあるので。

また、日本への就職を考えて途中で方針転換しようと考えている方も、決断したら速やかにグリーンカード取得を目指してください。インタビューの段階でかなりストレスフリーになることができます。

J1, H1b, O1ビザも更新を含めて最長で5年程度しかサポートしないので、グリーンカードのプロセスに1年かかると仮定して、ビザの有効期限の2年前に一度自身の進路をゆっくり考えてみるのがいいと思います。

  • 日本へ帰国してポジションを見つけるのか?
  • アメリカ(海外)でポジションを見つけるのか?

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました

参考になった、面白かったと思って頂けたら是非シェアして下さい:)

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「アメリカで研究留学・転職するために知っておきたいビザの知識」への8件のフィードバック

  1. 米国ビザ弁護士からJ-1ビザからH1-bには移行できないと言われたのですが、可能なのでしょうか?
    可能でしたらそのプロセスをお伺いしたいです。

    1. 通常はJ1からH1bへの移行は大学などのアカデミアならH1bの発行上限がないはずなのでできると思いますが、所属機関のHuman ReseouceにあるImmigrationの専門家に尋ねてみるこをお勧めします。もしかしたらH1bの新しい給料の最低額のことを弁護士さんは仰っているのかもしれません。
      あとは、念のためJ1ビザの2年帰国ルールがかかっているかも確認してみてください。

      1. お返事誠にありがとうございます。過去に学生でのF1期間とOPT期間での滞在が6年ありますので、もしかしたらそこが問題だったのかもしれません。弁護士に相談してみたいと思います。
        重ね重ね感謝申し上げます。

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