こんにちは、masayaです。
博士課程の学生さんやポスドクの方でフェローシップに応募するかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか?
研究留学そして研究者のキャリアを構築する上で『フェローシップの獲得は非常に重要』なので、迷っているなら間違いなく応募した方が良いです。もちろん獲得できれば最高ですが、獲得できなくても応募するメリットはあります。
私自身は学振(DC1)、海外学振、卓越研究員と三度のフェローシップ・研究助成の申請書を作成しましたが、その後のキャリアへの影響があったり大きなターニングポイントになったりと申請したメリットは大きかったと感じています。
今回は、なぜ学振やフェローシップ・研究助成へ『応募』した方が良いのかについて、3つのメリットに焦点を当ててまとめていきます。
3つのメリット
- 自己分析の良い機会
- グラントを書くトレーニング
- フェローシップ獲得で得られる数々のベネフィット
1. 自己分析の良い機会
フェローシップを書く機会は、
- 本当に今の研究分野でこれからもやっていくのか?
- 実は別の分野への興味が強いのではないか?
- 基礎研究を好むのか?
- もしくは応用研究をやりたいのか?
- 将来的にアカデミアで研究を遂行していくのか?
- 企業で研究職につきたいのか?
など色々と自分に問いかけるいい機会です。
3, 5, 10年後どこでどんな研究をしていたいのかについて熟考してみると大まかな方向性が出てくると思います。私の場合、卓越研究員の応募書類の10年間の研究プランを作成した際に、自分の研究結果を基にしたdrug discoveryをしたいと思ったので、製薬企業への方針転換がスムーズに行えたと思います。
結果的に卓越研究員では研究費を獲得できたにも関わらずポストは見つかりませんでしたが、自分の長期でやりたいことを知ることができたので応募して良かったと思っています。
2. グラントを書くトレーニング
研究者としての道を歩むのならグラントへの応募書類、もしくは企業への就職活動の書類などは避けて通れないイベントです。自分のテーマを他人に理解してもらい尚且つ興味をもってもらうのはとても重要な事です。フェローシップへの応募書類はそういった『ライティングの良いトレーニング』です。
これまでの研究成果、研究計画の提案、予想されるインパクトなどを論理だって書面にまとめるのは一朝一夕で出来ることではないと思います。学生・ポスドクの方には是非トライしてほしいです。
参考までに海外学振の申請に必要な書類は以下のようになっています。
- 簡単な履歴書
- 研究業績(これまでの研究、留学後の研究計画など)
- 受け入れ先の承諾書
- 評価書(推薦状)
日本学術振興会の海外学振のリンクは→”こちら” です
もちろん海外に先に留学してからフェローシップへ応募することも可能です。その場合は受け入れ先に先にコンタクトをとって面談もしくは面接をしてという流れが先にきます。
参考までに、アメリカのポスドク時代の同僚が取得していたAmerican Heart Associationのポスドクフェローシップは”こちら” です。これ以外にも多くのフェローシップがあるので、留学が先になってしまう方はPIと良く相談すると良いでしょう。Budgetを取ってくることになるので、大抵は良いサポートを受けれるはずです。
日本人が応募可能なフェローシップのリストは、“日本人ポスドクが応募可能なフェローシップ・研究助成の網羅的リスト”が参考になります。
3. フェローシップ獲得で得られる数々のベネフィット
言うまでもなくそういった競争率の高いフェローシップを獲得した際には以下のような数多くの良いことが待っています。
- サラリー/経済的サポート
- 研究費の獲得
- 研究分野におけるCredibilityの獲得
- 達成感/自己肯定感の獲得
- (アメリカ市民なら所得税免除)
- Etc…
博士課程の学生にとっての日本学術振興会の特別研究員 (DC1, DC2)のサラリーは本当に助かると思います。海外学振のサラリーもliving costが高いエリアでなければ家族で暮らしていけます。
フェローシップの獲得歴はもちろん業績 (CV)にも書くことができるので、アカデミア・企業どちらへの就職活動でもプラスに働くことでしょう。フェローシップを取ることは応募したグループの中で優秀であるという証明の一つなので、マイナスに働くことはないですから、是非積極的に応募してください。
まとめ
- フェローシップ・研究助成への応募は良い自己分析の機会になる
- 応募書類の作成は、科学的な事を書くライティングの良いトレーニングになる
- フェローシップ獲得のメリットはやはり大きいので、積極的に獲得を目指す (マイナス要素はない)
『今忙しくて時間がないから』、『私にはどうせ無理だから』などパッシブな理由でフェローシップへ応募する事をやめるのは勿体無いと思います。チャレンジすれば勝率は低いかもしれませんが、0%ではないですから。自己分析のいい機会だと思って是非トライしてみて下さい。ひょっとしたら、良いターニングポイントになるかもしれません。
実際に日本人が応募できるフェローシップ・研究助成に関しては、“日本人ポスドクが応募可能なフェローシップ・研究助成の網羅的リスト”で、助成期間、助成額、その他のサポートまでまとめてあるので、フェローシップへの応募の際の参考にしてください。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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