Luck Is What Happens When Preparation Meets Opportunity

研究留学の4つのメリットと3つのデメリット

こんにちは、masayaです。

博士課程修了後の次の進路として海外への研究留学を考えている人もいるのではないでしょうか?しかし実際に、研究留学をすることが自分のキャリアのプラスになるのか、それともマイナスになるのか心配する方も少なからずいると思います。

今回は海外への研究留学をすることがプラスになるのかマイナスになるのかの答えの参考にしてもらうために、5年間の研究留学で感じた4つのメリットと3つのデメリットについてまとめます。

これから研究留学をする方の参考になると幸いですし、そうでない人にも研究留学のイメージが伝わって興味を持ってもらえると嬉しいです。

ちなみに研究留学先はテネシー州メンフィスの“St Jude Children’s Research Hospital”という研究所が併設した小児癌の病院で、5年ほどポスドクをしました。St JudeやMemphisでの生活に興味があれば“アメリカ南部のMemphisの街の話”をご覧ください。

研究留学のメリット

  1. 多様性に触れられる、グローバル化
  2. 日本の環境について客観的になれる
  3. 海外で就職するオプションが増える
  4. 海外のネットワークが増える

1. 多様性に触れられる、グローバル化

留学先にもよりますが、色々な国の出身の人達に出会えます。彼ら彼女らと仕事をしたり話す事で、色々な国の文化を知ることができました。色々な考え方や文化背景があることを知ることで、物事の考え方がより多様かつグローバルになりました。また日本の事、文化であったりアカデミアな事であったり、について自分の口から話す機会が増えて、自国の事についても考えるいい機会になりました。

2. 日本の環境について客観的になれる

一度居心地の良い環境から出ることで、私の場合はアメリカでしたが、海外の環境との違いを肌で感じて日本の良いところも悪いところもほんの少しだけ客観的に考えられるようになった気がします。

研究環境ではやっぱりアメリカの方がシステムとして良くできていると感じましたが、日本の方が治安や住環境に関しては安心できます。

3. 海外で就職するオプションが増える

留学して数年後に日本に戻ってポジションを獲得することを留学前は考えていましたが、現実は中々難しくそのままアメリカで現地就職をする道を選びました。

アメリカの製薬研究職を探そうと方針転換を決断した時に、海外に住んでいたことでグリーンカードやビザの申請がスムーズにできた事は研究留学をして助けられた点だと強く思っています。

研究留学と現地就職におけるビザの大切さについては“アメリカで研究留学・現地就職するために知っておきたいビザの話”でまとめていますので、参考にして下さい。

4. 海外のネットワークが増える

日本で仕事をしているだけでは会うことが難しい海外での著名な研究者の方達と学会やセミナーで会う機会が増えたり、そのラボに在籍する将来有望な方達とのネットワークが出来上がる事は大きなメリットの1つだと思います。

地理的にヨーロッパからもアメリカの方がセミナーで招待講演も組みやすいのか、留学先開催のセミナーでは広く色々な方の話を聞く機会に恵まれたと思います。

大きなラボに留学したり、近隣のラボには将来独立して研究室主宰者(Principle Investigator: PI)を目指している優秀なポスドクがいるといたので、若手同士のネットワークも良い財産になったと思います。

研究留学のデメリット

  1. 異なる環境への適応
  2. パートナーのキャリアの中断
  3. 日本とのネットワークの維持と日本への就職が難しい

1. 異なる環境への適応

バックグラウンドが全く異なる人達と生活していくわけで、異文化への適応が難しい性格の方にはきついかもしれません。

渡米当初は英語でのコミュニケーションが悲惨だったので、半年くらいはかなりしんどかったのを覚えています。それでもラボメイトとできるだけ一緒にランチに出かけたり、夜のお遊びにも一緒に付いて行ったりするうちに英語のコミュニケーションも徐々に改善していき多くの友人ができました。

ただ、みんながみんなこちらでの環境に慣れる事ができたわけではなく、こちらでの生活が合わずに苦労されていた方も少なからずいらっしゃいました。

陳腐なアドバイスかもしれませんが、積極的に地域のコミュニティに参加して友達をたくさん作るといいと思います。日本人同士のお友達もありです。

2. パートナーのキャリアの中断

留学をする際に結婚していて、パートナーと共に海を渡る方も多いと思います。そのような場合はパートナーさんが仕事を中断もしくは退職しなければいけないかもしれないかと思います。キャリアの中断です。

パートナーさんにもキャリアを考えている方は大勢いらっしゃると思うので、家族で話し合ってベストな形をとって研究留学をスタートして欲しいと思います。

3. 日本とのネットワークの維持と日本への就職が難しい

海外にいる事で、日帰りや1泊で行けるようなセミナーや学会に参加する事が出来ず、日本国内でのネットワークの維持が難しくなります。最悪存在をや忘れられることもあるのではないかとさえ思います。

日本とのネットワークの維持が難しい一番の理由は金銭面だと思います。アメリカの直行便のない都市からでは往復で$2000近くの出費をしないといけないですから。

日本とのネットワークは日本でポジションを得るためには大事な要素だと思いますが、長く海外にいればいるほど難しくなるのではないかと思います。小まめにお世話になった先生達に近況報告をするといいと思います。

まとめ

研究留学の是非についての絶対の答えはないと思います。誰からも強制されるものではないので、『行きたい!』と思ったら行けばいいですし、『無理!』と思ったら行かなくていいと思います。

ただ私個人の感想としては、PhD取得時に感じた閉塞感を打開したくて留学を選びました。正直ポスドクをしていた時はしんどい事も多かったですが、その分ネットワークなど得られたものの方が多かったです。何より、日本で仕事が見つけらないとわかった時にスムーズに方針転換できたので研究留学して本当に良かったと思っています。

日本での就職活動の話は、“卓越研究員の結果:アメリカで製薬研究職を目指したターニングポイント”を参考にしてください。

皆さんも後悔のない選択ができるよう影から応援しています。

 

研究留学の際は研究室の変更を伴うことが大半ですが、その際のメリット・デメリットの話は“ポスドク・大学院での研究室変更の4つのメリットと2つのデメリット”でまとめてあるので是非参考にしてみて下さい。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

参考になった、面白かったと思って頂けたら是非シェアしてください 🙂

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