こんにちはmasayaです。
以前の投稿“英語が苦手だからそ上達させたいプレゼンテーションの構成とポイント“で印象に残るプレゼンのためには『ストーリー』がとても大切であることをお伝えしました。
ではいったい、どうすれば良いストーリーを作れるのか?
実はそんなに難しいことはなく、これから紹介するプレゼンが上手だったボスに指導してもらった4つのステップに沿っていけば、それなりに良質なストーリーが作れると思います。
Step1. プレゼンテーションのTPOの整理
どんなプレゼンテーションを行う際にも、プレゼンテーションは必ず聴衆に向かって行います。まずプレゼンテーションのストーリーを考え始める時には、
- プレゼンの時間(Time)?
- プレゼンの場所(Place)?
- プレゼンの相手(Occasion)?
のプレゼンテーションのTPOを頭の中で明確にしたり、書き出したりして整理します。プレゼンテーションのTPOによって、プレゼンテーションで設定するべきストーリーやデータ・資料の提示の仕方や言葉遣いの難易度を変える必要があるからです。
例1: 専門分野の学会でのプレゼンテーション
聴衆にも専門知識がある→専門用語を使っても問題ない
例2: 就職活動の面接(ジョブインタビュー)でのプレゼンテーション
聴衆の専門が多様→専門用語を少し易しい言葉に置き換える
Step2. ストーリーの核になる問題とその答えを明確にする
まずは紙やノート、もしくはPCのワードやテキストエディタなどに①プレゼンで提起する問題と②その答えについて書き出します。
例として、仮に『とある酵素Aの細胞周期の調節メカニズム(ジョブトーク)』についてプレゼンテーションをすると考えてみます。
①プレゼンで提起する問題
酵素Aはどのようにして細胞周期を制御しているのか?
②その答え
酵素Aはタンパク質Mとの複合体立体構造の状態依存的に制御因子Cを分解して、細胞周期を制御している
この『問題と答え』のセットがプレゼンの核となるストーリーになります。
最初のこの段階では、いきなりパワーポイントを開いてサクサクとデータや資料を作成するのはちょっと我慢します。
Step3.全データや資料の書き出しと順番
『問題とその答え』が書き出せたら、次にどうやってその問題を解決するためにアプローチしていったかについて、データや資料を出す順序を考えていきます。
この段階では、手持ちの全てのデータと資料を見つめながら色々な出す順番をstep2で作ったノートに追加していきます(Brainstorming)。
この時のデータや資料を出す順番は時系列で統一する必要はなく、出来るだけ論理的な順序を考えるのが良いです。
①プレゼンで提起する問題
酵素Aはどのようにして細胞周期を制御しているのか?
データ・資料の例(時系列順)
- 先行論文のデータ
- 酵素Aの組成に関するデータ
- 酵素Aの試料調整のデータ
- 酵素Aによる制御因子Cの分解の生化学のデータ
- タンパク質Mの試料調整のデータ
- 酵素A-タンパク質Mの複合体試料調整のデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの立体構造(状態1)に関するデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの結合に関するデータ
- タンパク質Mによる酵素Aによる制御因子Cの分解阻害の生化学のデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの立体構造(状態2)に関するデータ
時系列からストーリーに沿った順番へ入れ替えた後
- 先行論文のデータ
- 酵素Aの組成に関するデータ
- 酵素Aの試料調整のデータ
- タンパク質Mの試料調整のデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの結合に関するデータ
- 酵素A-タンパク質Mの複合体試料調整のデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの立体構造(状態1)に関するデータ
- 酵素Aによる制御因子Cの分解の生化学のデータ
- 酵素Aとタンパク質Mの立体構造(状態2)に関するデータ
- タンパク質Mによる酵素Aによる制御因子Cの分解阻害の生化学のデータ
②その答え
酵素Aはタンパク質Mとの複合体立体構造の状態依存的に他の制御因子Cを分解して、細胞周期を制御している
Step4. 視覚的・具体的なスライドの作成
ストーリーが出来上がってデータや資料の順序がある程度固まったら、パワーポイントやKeynoteでスライドを作り始めます。
この時にstep1-3で作ったストーリーに関するノートがスライドを作成していくガイドになってくれるはずです。
せっかく良質なストーリーが出来たのに、ストーリーに込めたメッセージが聴衆に伝わらなければ残念ですよね。
そうならないためにも、最後はスライドの構成をシンプルにしていき視覚的なスライドを作っていきます。
“英語が苦手だからこそ上達させたいプレゼンテーションの構成とポイント”でも触れている様に、スライドの中の文字を出来る限り絵やモデルに置き換えて文字を減らしていく事が、スライドをシンプルかつ視覚的にしていくポイントになります。
また、データや資料には出来るだけ『具体的な数字』を盛り込んでいくのも、プレゼンのインパクトを上げるための良い方法です。
数字がない抽象的な例:
Xに最適な条件を検討した結果、パラメーターYの大幅な改善に成功した。
具体的な数字を使った例:
約1000の異なる条件を検討した結果、パラメーターYの従来の3倍以上の改善に成功した。
後者の数字を使った例の方がハードワークが伝わり、具体的にどれくらい凄い成果なのかが伝わっていると思います。
スライドを視覚的に作るための具体的なポイントに関しては、“プレゼンテーションのスライドを視覚的に作り変えるための5つのポイント”でまとめてあるので合わせて読んでみて下さい。
まとめ
- プレゼンのTPOを整理して、どういったタイプの聴衆に向けたストーリーを作るのかを決める
- ストーリーの核になる『問題とその答え』をノートに書き出す
- その問題を解決するためのアプローチ、データや資料の論理的な順序を考える
- スライドの文字を減らして視覚的にし、具体的な数字を入れてストーリーのインパクトを上げる
最後に、良いプレゼンテーションには練習は不可欠なので、本番で後悔のないようにするためにもプレゼン練習を頑張って下さい。
プレゼンテーションの練習に関するポイントは、“本番までにプレゼンテーションをきっちり仕上げるための練習方法“を合わせて読んでみて下さい。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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