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ポスドク・博士課程学生が海外の学会へ参加する4つのメリット

こんにちは、masayaです。

ポスドクをしてた頃は学会に行くよりも少しでも実験をしていたい、と考えて学会への参加は見送っていましたが、先日アメリカへ来て初めて国際学会へ参加して思っていたよりも良い経験が出来ました。

正直なところ『学会へ行かないで実験へ勤しむ』スタイルも賛成派なんですが、学会へ参加することで得られるメリットもやはりあるなと感じたので『ポスドク・博士課程の学生が海外の学会へ参加する意義(メリット)』について考えてみました。

1. 研究分野の最先端の情報を知ることが出来る

研究分野の最先端の情報を知るには日々PubmedNatureをはじめとした学術雑誌のウェブサイトなどで論文をチェックするのが一般的だと思います。

しかし海外で行われる国際学会へ参加することでも最先端の情報を知るチャンスが大きいです。しかも当該分野の代表的な研究者もしくはその研究室のポスドク・学生が直接行うプレゼンテーションもしくはポスターを聞く機会に恵まれるので、タイムリーに質問をすることも可能です。

また、学会の規模や研究分野にもよると思いますが、そういった場ではこれから論文にまとめるもしくは論文のレビュー中といった状態のデータ、すなわち未発表データを知る機会も多々あります。

そういった未発表データが直接自分の研究テーマに関連していれば、論文発表を待たずして次のアクションを起こすことが出来るというメリットがあります。

また、直接見聞きするプレゼンテーションのインプレションって思いのほか大きいもので、学会での最先端の情報・未発表データから新しくアイデアを思いついたりと良いインスピレーションが得られるのも非常に大きなアドバンテージです。

 

2. 自分という研究者をアピールする良い機会になる

学会に参加する、特に口頭発表もしくはポスター発表をすることを通じて自分という研究者を当該研究分野の他の研究者の先生方にアピールすることが出来ます。

これは東京大学の加藤先生の海外だより〜長き道の途上から〜から抜粋した一例ですが、

「お前の仕事はよく知っている.来たければ明日か ら来てくれても構わない.」そうして私の就職活動は 幕を閉じた.開始からわずか数分.渡米より一年前の 冬,名古屋で開かれた国際シンポジウムにて Brian Kobilka 博士と話した時のことである.当時東京大学 濡木研究室の大学院生だった私は,チャネルロドプシ ンと呼ばれる光駆動性カチオンチャネルの X 線結晶 構造解析に成功し,Gordon Research Conference と呼ば れる国際学会で口頭発表を行ったことがあった.その 場に居合わせた Brian はどうやらその時の発表を覚え ていてくれたようである.

と言った具合に、学会で発表したことを海外の研究者の先生が覚えていたことをキッカケにポスドク先が決まることもあります。

また、自身のポスドク先にもとある学会でのポスター発表をポスドクボスが見てスカウトしてきたという例もありました。学会での口頭発表・ポスター発表はCVへ載せる業績以上のインパクトを時にもたらすので、学会で発表する機会は積極的に享受して自分という研究者をアピールすることは大切だと感じます。

 

3. 他の研究者とのネットワークを拡げる良い機会になる

学会に参加して期待できる1つの大きなメリットは、研究者間のネットワークを拡げる良い機会になる点が挙げられます。

ポスター発表やバンケットなどの懇親会系のイベントでは、大御所の先生方から今後伸びていきそうなポスドク・PhDの学生までいろいろな研究者の人達と話すチャンスがあります。

上述の例のように海外留学の足掛かりになることもあるでしょうし、共同研究を開始する運びになることもあるでしょう。

また、学会によっては企業の研究者も来ることもあり、そこでコネクションを作っておけば、いざ企業の研究職へ応募する時に推薦人 (Refferal)になってもらえることもあります。

ただいきなり知らない人に話しかけるのは人によってはとても勇気の必要な行為だと思います。私も未だに苦手です。そういった場合に一番簡単な方法は、『現ボスや元ボスを仲介して話しかける』ことだと思います。別の言い方だと、ボスのネットワークに便乗する感じです。

ボスを介して話しかけることで、相手にも『XX研の誰々』と印象に残りやすくなりますし、自分+相手の1:1の会話ではなくボス+自分+相手の三者での会話になる分少しは話が続けやすいと思います。この方法は割とお勧めなので是非試してほしいですが、ボス自身のネットワークが弱いと上手くこの方法は使えないということには注意が必要です。

“コネ就職するために活用すべきネットワークの知識と作り方”でも触れていますが、企業での研究職を得るためにはこのコネクションはとても大きく働くので、機会があれば是非繋がることをお勧めします。

実際にコネクションを拡げるためにはLinkedInを使うと名刺いらずで便利です。興味のある方は、“海外ポスドク・研究者にLinkedInを活用して欲しい3つの理由”をあわせて読んでみてください。

 

4. 英語のコミュニケーションのハードルを少し下げることが出来る

海外の学会へ積極的に参加することは、特に日本に在住していてこれから海外へ出ていくことが少しでも視野に入っている方へお勧めしたいです。

なぜなら実際に海外の学会の2〜5日間みっちりと英語をコミュニケーションの第1ツールとして使わないといけない環境に身を置かないといけないからです。この短期間の経験でも英語のコミュニケーションに少しでも慣れることになるので、今後海外で大学院へ行ったり、ポスドクをしたり、仕事をしていく上では貴重な経験になっていくと思います。

また少しでも(短期のホテル滞在でも)海外の生活に触れることで、自分が海外の生活へ慣れていくことが出来るかどうかも少しはわかるかもしれません。

それほど海外での生活、特に最初の1-6ヶ月くらいはチャレンジの連続で大変なので、英語のコミュニケーションに少しでも親しんでおくことはいざ海外生活をスタートする時にプラスになると感じます。

まとめ

所属研究室の予算によっても海外の学会へ参加させてもらえるかどうかは変わってくると思いますが、そういったチャンスがあれば積極的に利用していくと良いと思います。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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