Luck Is What Happens When Preparation Meets Opportunity

アメリカ大企業でのリストラに備えるための3つの教訓

こんにちは、masayaです。

Big pharma/Biotechに限らずアメリカの企業にお勤めの方は1度くらいは解雇(Layoff)されたらどうしようと考えたことはあるのではないでしょうか?私もつい最近、2018年1QにPfizer Neuroscience Exitに伴うLayoff、さらにそれに伴うbudget cutによる第2波のLayoffを現場で体験しました。

入社半年での出来事で正直かなりビビりました…

これからアメリカで就職をお考えの方はこういったリスクも考慮して、ご自身のキャリアパスを考えてください。誤解のないように言っておきますが、決して脅かしてるわけじゃないですから。日本のアカデミアの常勤ポストでもない限り、アカデミアに行ってもグラントが切れた時は同じだと思うので、要は自分が何を大事にするかです。

今日はそういったLayoffの現場経験からIndustryにおけるLayoffについて考えてみます。先日Departmentのディレクターとの面談で伺ったキャリア構築のアドバイスも併せてまとめます。

前提:雇用形態の違い

  1. 雇用が職務ベースで流動的である
  2. 理由の有無にかかわらず雇用主も従業員も雇用を解消できる

2-A. ビジネス上の理由

2-B. 不正行為、ハラスメント

2-C. 個人のパフォーマンスが悪い

実際に聞いていたのと見たのではやはりインパクトの差異というか臨場感は半端なかったです。2018年1月に公にアナウンスする1日前に社内でアナウンスがあり、ほぼほぼ皆さんの仕事の手が止まりましたから。

インパクトは決してNeuroscienceだけに止まらず、それに伴うBudget Cutが行われることが私にとって1番のインパクトでした。約1ヶ月後の2月中旬、まさにバレンタインデイ当日に私の部署のLayoffのアナウンスがあり、私のことを採用してくださった直属のマネージャーが去ることになってしまいした。

これら1連の流れの説明は部署のVPとのグループランチにて細かな説明を受けました。Big pharmaであるがゆえに、新薬を出すことが難しい領域からは撤退せざるを得ない。もどかしかったです。

過去にも何度も大きなLayoffを繰り返してきたPfizerですが、色々な方達から聞いた話をまとめると以下のような順序でLayoffが進んでいくことがわかりました。おそらく他のPharmaならびに他の業界でも当てはまるのではないでしょうか。

Layoffの順序

  1. 予算Cutの口実は”Restructure”
  2. High levelのシニアマネージャー (High salary)からLayoffが始まる
  3. それに伴って、部局の再編成
  4. 比較的高齢のマネージャークラスのLayoff (Middle salary)
  5. リサーチャー/テクニシャンクラスのLayoff  (Low salary)

例えば、100%の予算から20%を削減しなければならないとし、シニアマネージャー (コスト10%), マネージャー (コスト5%),  リサーチャー/テクニシャン (コスト1%)ならば、 リサーチャー/テクニシャンを20人Layoffして20%の予算Cutをして実務に支障が出る恐れがあるよりも、上の高給取りから順に1人、2人と削って20%のCutをして組織をスリムに再編した方が効率がいいのでしょう。

苦しくも上記の話をして下さった直属のマネージャーが今回去ってしまうことになるとは思ってもいませんでした。Industryに入るキッカケになった方なので感謝しています。

Layoffへの対策

では、Layoffから身を守る術はあるのか?おそらく100%防ぐことはかなり難しいでしょう。

やはり、前提2 ”理由の有無にかかわらず雇用主も従業員も雇用を解消できる”があるため、会社が部署をShutdownすると決めたら、”わかりました荷物をまとめさせて頂きます”と出て行くしかないです。

先日Layoffのアナウンスがあった後に、所属先の部署のディレクターと1:1で面談する機会があったので、どうやってIndustryで長く(40−50代)キャリアパスを築いていけばいいのかについて質問しました。その際のNoteを記載しておきます。

  1. Knowledge
  2. Accomplishment
  3. Network

Science、drug discovery、project managementなど、何についてどれ程の見識(knowledge)を持ているのか、そしてそれらを使って何を成し遂げ、どんな貢献をしたのか(acknowledgement)がキャリアを前進させていく、裏を返せばlayoffの対象になりづらいという事でしょう。

さらに、accomplishmentにより築いた人脈(network)が、次なるキャリアアップ、転職の時に役に立ってくるのだと考えられます。以前お話ししたように、Pharmaの入口は狭いがその後の転職は活発であるため、しっかりとしたNetworkを構築できていれば、頼れる人が転職の手を貸してくれることもあるでしょう。なので、色々な人との信頼ある人間関係を構築すること、そのためには目の前にある仕事を誠実にこなし周囲の信頼を得て行くことが地道だけどベストな道ではないでしょうか(→これは自分に言い聞かせてます)。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました 🙂

 

アメリカの人事についてもう少しだけ詳しく知りたい方はこちらをみるといいと思います。

アメリカの人事制度の特徴とは? 5分でわかる日本との違い | WEBマガジン「INITIATIVE(イニシアチブ)」詳細 | パソナグループ